PC記事上

バンニーキルクの涙

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ロンドン世界選手権200m決勝レース後、インタビュー中にバンニーキルク選手は涙を見せます。日本では報道されませんでしたが、本大会中にトラブルがあり、憤りの感情があふれていたのです。

事の始まりは400m予選の前。ボツワナの実力者アイザック・マクワラ選手が公式ホテルで食通毒を起こし、感染防止のため会場入りを禁止されていました。もちろんレースは欠場。マクワラ選手は当シーズン絶好調で、バンニーキルク選手最大のライバルと思われていただけに、とても残念な結果です。

ライバル不在での400m決勝はバンニーキルク選手が圧勝。しかしその後、不穏な展開が訪れます。チームメイトであるクラレンス・ムンヤイ選手(200m予選でレーン侵害のため失格)が、Twitterでこのような発言をしたのです。
“Makwala is the man”, “Makwala is literally a boss”
意訳すると、”マクワラこそが真の王者だ”と主張しており、またマクワラが走れていたらバンニーキルクを打ち負かしていたとも述べています。
さらに事態はこれだけにとどまらず、前世界記録保持者のマイケル・ジョンソン氏は今回の食中毒騒動に関してこう推測しています。
「マクワラが感染症を起こし400mに出場できなかったのはIAAFの陰謀だ。バンニーキルクをボルト引退後のスターに仕立て上げるため、仕組まれた事だ」
さらにその後マクワラ選手までもがジョンソン氏の推測に同意し、陰謀説を支持したのです。

これらの事態が200m決勝前に生じており、本レースではバンニーキルク選手は正常な精神状態ではなかったのです。そしてレース後、涙を流しながら”人々はもっと自分が成し遂げた事に対し敬意を払うべきだ”と主張しました。

個人的に、この騒動はとても悲しく感じます。たしかにマクワラ選手の食中毒発症は本当に残念でした。今後運営陣は徹底したリスク管理をすべきです。しかし、それを引き合いに出しバンニーキルク選手を咎めた事は決して許されません。

これまで陸上界はボルト選手のスター性に肖り、人気を保ってきました。彼が引退した今後、競技としての真価が問われる事になるはずです。
稀代の競技者であるバンニーキルク選手に対し、著名人達がこのような扱いをしているようでは、陸上界に未来はありません。

フォローする

スポンサーリンク